櫻池院が目指す精進料理と料理人紹介

このたび、櫻池院の精進料理は神奈川県鎌倉の精進料理研究家、藤井まり先生に監修していただくことになりました。

鎌倉にお住まいの藤井まり先生とのご縁は、ご主人の藤井宗哲和尚が、精進料理辞典(1985年)を編集するにあたって、当院がお手 伝いしたことから始まります。

藤井まり先生のシンプルで飾らない、旬を大切にする料理、それが高野山の精進料理、また櫻池院の精進料理が求めているところだと感じておりました。

そして今年度から、藤井まり先生の肝いりである立田千恵子さんが担当してくれています。2014年に先生の精進料理とヨガのコラボイベントを行った時に、先生と一緒に来られたのが、立田さんでした。その時からのご縁ですが、こちらの料理担当を引き受けていただき、群馬から赴任してくれました。精進料理とは、また、そのコンセプトを立田さんの言葉で紹介いたします。

藤井まり先生は典座(てんぞ:寺院の台所役)を長く務められたご主人で僧侶の藤井宗哲(故人)先生と「禅味会」という精進料理の教室を始められ30年以上、指導されています。僧侶のための精進料理を家庭でも生かせるようにとの思いからです。

「食は心なり」はお二人の口ぐせです。精進料理には「旬のもの」「自分の生活している土地のもの」「食べ物の全体」「いろいろな味、色のもの」を食べるという考え方があります。

「旬のもの」は味もよくエネルギーが一番充実しているときでその力をいただけます。

「自分の生活している土地のもの」は自然の中で生かしていただいている人間は同じ環境で育ったものを食べた方がここにも身体にも健康的ということです。たまには遠い国のものを食べるのも良いでしょう。しかし、日常の食事は身近なとことで採れたものの方が身体にやさしいということです。

「食べ物の全体」とはたとえば、大根は葉からシッポまで全てが大根でなるわけで、部位によって味、栄養価が違うといわれます。1本全部食べるのが理想ですが、それは無理です。いろいろな部位を食べるとか、切り方を工夫して食べます。また、食を余すところなく全て使い切ることによって命あるものを粗末にせず、無駄にしないことになります。

「いろいろな味、色のもの」については、東洋医学の世界観である五行思想に 由来するといわれています。 五味(酸、苦、甘、辛、塩からい)、五色(青(緑)、赤、黄、白、黒)は人間 の五臓に影響を与えます。 季節や体調に合わせてそれぞれ煮たり焼いたり、調理することで栄養が整いバ ランスの良い食事を作ることができます。

宿坊の台所では、材料が決まってからメニューを考えます。 寺院には全国の信者様から地域の旬のものが届きますので、 いただいたものをむだにせず、全て大切に調理するためにメニューが後になり ます。 精進料理を特別なものとしてではなく普段の家庭での料理の参考にしていだけ るよう 心構えの「三心」を忘れず努力して参ります。 高野山の自然の中で体に負担をかけない食事をして、たまには ゆっくりした時間を過ごし、バラバラになった心と身体を元に戻すために 精進料理を通してお手伝いさせていただけたら幸いです。

食は心なり。

立田千恵子

 

 

 

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